さてさて、いよいよ本格始動していきます。
親戚に貸して頂いている畑をしながら、新たにお貸りした二枚の畑の準備に入りました。
ではまず畑の方から話します。
面積は50a (1500坪)程の畑です。とてつもなく広く感じました。
地主さんに紹介してもらい近くの畜産農家さんに堆肥を12トン全面散布、耕運までして頂きました。
想像以上に予算がかかりました。広く作るという事は元肥もそれだけいるという事です。
肥料代を抑えたいですが、そこは良いもの(野菜)を作るには、けちる所ではないですもんね。
いよいよ作物です!何を植えるか妻と考えました。今まで野菜作りを練習してきた中でそこそこの自信があったのが「ほうれん草」でしたので「ほうれん草」を植えることにしました。
今まで同様、除草のことを考えてマルチ栽培にする事にしました。収量を上げる為に広めの平畝にする事に決め、それようのマルチを探しました。
ですが穴あきマルチの規格物は玉ねぎ用のマルチしかありませんでした。
そこで近くの種苗屋さんに相談しオーダーで作る事にしました。今思えばアホな事をしたものです。
意味のない所にお金にお金をかけて。その頃はそれが正しいと思っていたので仕方ありませんけど(^^)
畝をたてマルチを張り種をまきました。ここまでくるまでで相当な予算がいりました。その頃の自分達からすれば大金です。百姓は先行・先行で投資が必要ですね。
発芽率は良く順調に見えました。ですが本葉が二枚程になった頃から日に日に穴ぼこになりはじめ、欠株がでてきたりしはじめました。殺虫剤もかけて対応したのですが気休めで効果がありません。
日に日に欠株が増える中、原因を探しました。ですが目に見える範囲には原因が全く見当たりません!
そこで妻とも話しマルチをはがしてみる事にしました。すると..なんということでしょう(^^)
まるまる太ったヨトウムシがうじゃうじゃいるではありませんか!!
妻と二人その虫達を残らず全て拾ってまわり、丸焼きにしちゃいました!!
これじゃ本当に、野菜と虫どっちを育てていたかわかりませんよね(^O^)
結局、「ほうれん草」、全体の二割程度しか収穫できませんでした。
次にもう一枚の方、水田40a (1200坪)の話をします。
こちらは何年も使われてない耕作放棄地でしたのでまずは草刈りからでした。
草を刈り、草を焼き、石を拾い、周りに溝を掘り水をきりました。
ここまで仕上げるのに四ヶ月程かかりました。
作付け出来るように土を維持していくということは本当に大変な事です。
準備に時間がかかってしまい、時期的にあわなくなり、水田の作付けは次作になりました。
一年目から二年目のはじめはこのように、何をしてるかわからずイメージだけが先を行くような事ばかりでした。
「失敗 8 成功 2」って所です。ですが失敗の方が得られるものは大きく「経験 10」は得られました。
「失敗・経験」の蓄積が先々の「成功」に繋がるんですから。
「野菜・虫」共に同じ命です。正直、虫達には罪はありません。
今回自分達が虫を大量発生させてしまう「きっかけ」を与えてしまいました。
その「きっかけ」は全て「土作り」から始まります。
「生態系を考えての土作り」これを追及する道のりは永遠につつ”く..百姓のロマンですね。
第六話 完