有元農場 誕生秘話 第2話「百姓の原点『 くわ 』」

地元に帰りまずは情報収集をすることにしました。

祖父母は百姓をしていたのですが、実家の父は百姓とは全く関係ない会社員だったので畑も機械も道具もなく本当に0(ゼロ)からのスタートでした。

まずは身内に理解をしてもらい力添えをお願いしました。

次に農政課、普及所等に行き霧島市の百姓の現状と支援事業について聞きに行きました。この時、農政課で対応して頂いた方々が、竹添サンと矢野サンです。今まで凄く親身にサポートして下さり心から感謝しております。

世間は厳しく、「若僧が思いつきで百姓をはじめて、できるものか!」と思われていました。

そこで、「頭で考えるより、口で語るよりまずは行動で示そう!」と思い畑を探しました。まずはとにかく何でもいいから野菜全般に触れる事からはじめようと思いました。

ですが貸して頂ける畑など全くみつかりませんでした。ただの他人で信用もなく何処の誰かもわからん若僧に大事な畑を貸して下さる方などいませんよね。

百姓にとって畑は、家族の次に大事なものです。

そして身内を頼りようやく、4アール(120坪)ほどの畑を貸して頂ける事になりました。

畑といっても草払いをして綺麗に管理しているだけの畑でしたので畑作ができるように、てをいれる必要がありました。普通は耕運機等を入れて耕運したいのですが、なんせその時持っていた道具はくわだけです!

なので120坪を妻と二人、「くわ」だけで土をおこして整地して、マルチも全て手で張りました。イヤー大変でした!

まあ最初から妻と一年目は百姓の原点の「くわ」で全ての作業をしようと決めていました。

「昔があるから今がある」、「先祖がいたから自分がいる」、「苦労があるから未来がある」。

それを体の芯から感じる為に原点(くわ)からしました。

ですが百姓の体もできてない自分たちにとっては一年目は本当に今まで生きてきた人生の中では一番きつい作業ばかりでした。

百姓という方達の凄さ、我慢強さ、作業の難しさを知ることができました。

 

第二話 完

 

(次回) 今回はくわで畝を立てて、マルチをはって準備までだったので次はいよいよ初種まきです。